学芸員から展示されている雛道具や歴史をレクチャーいただきました。
五摂家の筆頭・近衛家から尾張徳川家11代斉温(なりはる)に嫁いだ福君(さち
ぎみ)さまの雛道具は梨子地(なしじ)に菊の折枝を配し、近衛家の家紋である抱牡丹紋(だきぼたんもん)と徳川家の葵の紋を散りばめたデザインで、金具は銀を用いられていました。実生活で使用する調度品(長持・茶弁当・緋傘・櫛台・硯箱・源氏箪笥・乗物等)のミニサイズで精巧に創作されていました。又14代慶勝(よしかつ)に嫁いだ矩姫(かなひめ)さまの雛人形は束帯姿、有衣(ゆうし)姿、狩衣(かりきぬ)姿の有職雛(公家の装束を正しく考証して作られた雛人形)で五対が展示。技術力の高さや緻密な作業を観ることができました。組香体験は茶室「よ芳軒」で開催。拾遺和歌集の「琴の音に峯の松風かよふらしいつれの緒よりしらへそめけむ」から琴金香(きんぎょくこう)が組まれました。琴の音と松風の音が通いあうさまを
歌に表現されており、香木の「琴」と「松風」を聞き分ける所作でした。
日本文化の奥深さに触れ、貴重な体験ができました。
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